松田養鯉場のブログ

当養鯉場の日々の出来事をお伝えできたらと思います。

チャレンジ企画 

皆さんお元気ですね。

遅くなりました。 今の時期、鯉放しや産卵準備でてんやわんやです。

以前のブログで予告していました様に少量ではありますがチャレンジ企画として2019年度産当歳の立て鯉販売及び野池預かりをしたいと思います。

 

本日、お昼前に4本だけ紅白を掲載致しました。

Keep-01

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単純な2段に見えますが、肌の良さと紅質の良さが際立った鯉です。

横の写真は販売ぺ-ジの写真を参照して頂きたいのですが、巻も深く良い鯉だと思います。

体型も素直で大きくなるとエラの後ろの白地の見え方も変わって来ます。

 

Keep-02

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紅際に甘さの残っている鯉ですが、この甘さは嫌いではありません。

イナズマ模様が切れた様な模様で味わい深い鯉になるのではと思っております。

野池に放流する為、永く餌を切っていたので少し細く写っていますが、大きくなる匂いのプンプンしている鯉です。

 

Keep-03

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少し暴れて鱗を2枚ほど飛ばしてしまいました。

この鯉も単純模様に見えますが、良い鯉だと思います。

胴回りの太さ、作りが何とも言えず良い感じです。 中々、出来ないんですよ。

 

Keep-04

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二段三段の模様でこの鯉も体の作りがしっかりしています。

紅にも厚みがあり鱗目も綺麗です。 

 

これら4本の鯉、よくあるジャンボ当才と比べて何が違うか写真を見て気付く方はいらっしゃいますか? 答えは「目」です。

写真を見て目が目立たない事がお判りでしょうか? 目が鼻先からエラのライン状に収まっていると思いませんか?

これら掲載の当才は決して人間本位で飼育された鯉ではありません。

冬場も無理に加温せず現在まで鯉の自力で20cmになった鯉です。

よく見るジャンボ当歳は目が出っ張った鯉が多いのに気付きませんか?

鯉の写真を見ると目が目立っている事にお気付きではないでしょうか?

それらの鯉は飼育者本位に育てられた鯉で、かなり無理をしています。

冬でも夏場の様に餌を与えられ、無理に大きくされているのです。

内臓のバランスが崩れている為、目が出っ張ってくるのでしょう。

ここ最近のブログで大型鯉を掲載しましたが、目の目立つ鯉はいませんよね。

鯉は幼魚であっても四季に沿って生体のサイクルが築かれています。

例えば冬場に23度で飼育しジャンボを目指すとします。

しかし、夏の23度飼育と冬の23度飼育では伸びが違います。

何故かと言えば、生体の代謝サイクルが同じ温度でも冬場は低いからです。

自然の中では鯉は冬場は休む生き物です。 改良が進んだ現代の錦鯉においても、その生態のサイクルは脈々と受け継がれて来ています。

 

これは飼育者として本当に言える事ですが3歳に立てようとする2歳鯉は冬場に餌を与えるのはお薦め出来ません。 例え痩せようとも。

冬場に中途半端に加温してダラダラ餌を与えていた鯉より、痩せようが完全に餌を切っていた鯉の方が夏場に爆発します。大きくなると言う事。

大きくし、長生きさせ、綺麗な時期を1年でも長く楽しみたい方は自然に沿った飼育方法をお薦めします。

本当に大きくなる系統であれば、当歳時にジャンボでなくても4歳時には追い付きます。

私はジャンボ飼育否定論者ではありません。

ジャンボにする意味もあることは分かっています。

5歳80cmと7歳80cmの鯉を比べると若い方が艶が有って綺麗です。

品評会で大賞を獲ろうという鯉は艶が大事ですから。

 

今回は皆さんの反応を見たいと言う事もあり、取りあえず4本の出品ですが、これからも出品する予定です。

本当はもっと攻めた鯉を出品したいのですが、お客様にリスクを背負わせることにどうしても気が引けてしまい、安全そうな鯉を選んでしまいました。

本当は激変する様な鯉を掲載したいのですが。。。。。

そういう鯉は現状の見た目が悪いのに安い値段は付けたくないし。。。。。。

 

皆さんご存知ですよね。 普通、野池預かりだと預かり代だけで3万は取られますよ。

それを考えるとこれらの値段が安いと思ってもらえるはずです。

野池も超一級の素晴らしい野池です。

下写真、掲載鯉を放した時の写真です。(5月21日)

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でっかい池ですよ。 山奥にこんな大きな池があるのかとびっくりされると思います。

池揚げ参加ご希望でしたら、お越し下さい。

鯉のお渡しは11月中旬ぐらいになる予定です。

この後の出品鯉にもご期待下さい。

では、また。

歴代親鯉紹介

皆さんお元気ですね。

緊急事態宣言も解除される県もあり、コロナも収束に向かっている様でほっとしています。

最近、忙しくブログのネタがないので、繋ぎに良く生産者がだしている様な親鯉紹介でもしてみます。

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メス親にする鯉は独自の育て方がありまして、一番上の孔雀の体型にするのが理想です。

私の場合、品評会用は体長を伸ばすこととボリュ-ムを付ける事を行いますが、親鯉用の飼育はボリュ-ムより肉質に拘っています。

簡単に言うと脂肪を必要以上に付けてしまうと卵の量が減り、かつ卵もスム-ズに出なくなってしまいます。

見た目に太っている鯉ほど以外に卵の量は少ないものです。

因みに鯉に多大な負担をかける人口採卵も弊社ではしません。

脳に障害が出るので本当に麻酔は極力かけたくありません。

麻酔で障害が出ている鯉は生簀を覗いても目が合いません。 本当ですよ。

幾ら綺麗でも活力の無い鯉は論外だと思っています。

今回は綺麗な親鯉を載せましたが、本当は見た目が悪くなっている様な親鯉の方が多いです。

親鯉は見た目ではなく、系統や特徴的である事などが重要だと思っています。

 

では、また。

金昭和の改良への挑戦。

皆さんお元気ですね。

良い子にステイホ-ムしていますか?

今日はブログを使って明日、私が担当している出品鯉についてのお話しです。

 

皆さん、金昭和ってご存知ですよね。

私の持つ金昭和のイメ-ジは大きくすると緋が持たない、光り物特有ですが墨がのりにくいと言う致命的な欠点があり、立て鯉志向の生産者は余りにも率が悪すぎて生産しないと言うのが現状でしょう。 実際に生産者はごくわずかで、かつ辞めていく生産者が多く、手に入りにくい品種にもなって来ました。

そこで! まずは一つでも欠点を改良出来ればと。。。 長持ちする鯉にするには紅の改良が先決です。

下、写真ご覧ください。

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皆さん、何か感じましたか?

種を明かすと、孔雀と金昭和を掛け合わせたのです。

青タライの中に長時間入れておくと墨が沈みます。 その後、紅質を確認すると孔雀の紅に似通った所があり、孔雀の生産者ならばすぐに、あッと気付くはずです。

タイプも色々出ておりますが、どうせなら両方の血を受け継いだ鯉の出品にしたいと思っております。 因みに写真の鯉達も出品します。

 

なにぶん、初腹ですので私自身もどう変化するか分かりません。 長年の経験と勘から良くなると思われる鯉を少量ではありますが連休特価にて販売します。

一緒に一喜一憂してみませんか? 体型も随分と良くなっている様に見えます。

 

では、お楽しみに!!

 

単色って難しい。

皆さん、お元気ですね。

 

今日は、単色の鯉についてのお話しです。

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見事な昔黄金でしょ?

写真撮影時は6歳95cmでした。

体型に微塵の狂いも無く、手ヒレも綺麗で傷一つない奇跡の鯉です。

何故、奇跡か。

古くから単色の鯉を多く生産している爺ちゃん鯉師が私に言いました。

佐藤さん、あんたら色鯉ばかり作ってる者は単色なんて簡単だと馬鹿にしてるだろ?

でも実は、春に毛仔を1品種20万匹以上泥池に放し、それが秋までには良くて1万5千匹になる。 それから当才の立て鯉を1本も売らずに2千匹を2歳にする。

そこからも良い物は一切売らずに3才、4才と大きくして行き、最後に90cmを超えて完璧な鯉が何本出来ると思う?と。 答えは5本未満。

それだけ永い年月を賭けて(文字通り賭けて)お金も賭けて、完璧な鯉は5本未満。

育てている間に鱗を飛ばして治った痕の鱗の並びが悪くなったり、見た目のごまかしが一切きかない単色ほど飼育に気を遣う鯉はありません。

勿論、メスは卵の抱き方に癖が出やすい為、それが元で体型が左右違って来たりもします。

単色の鯉がもっと評価されれば良いのにとふと思った1日でした。

因みに、写真の鯉はその生産者に2歳で分けてもらい自分で育てた鯉です。

僕の目利き、飼育技術も褒めてね!!

 

では、また。

考察 昭和 その1

皆さんお元気ですね。

巷は連休だと言う事を昨日ニュ-スを見て知りました。

この仕事をしていると祝祭日や曜日に関して鈍感になって来ます。

 

さて本題ですが、昨日販売ぺ-ジに載せた当歳の昭和を題材にしたいと思います。

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皆さんはこの鯉を見てどう思われましたか? 高いなぁ~って感じでしたか?

私としては、本来当才で販売しない鯉です。

私なりにこの鯉を解説すると、まず緋模様から見て行きましょう。

体全体で見ると緋の量は少なく小模様ですね、一般的に考えた場合、小模様は紅が飛びやすい傾向がある事は皆さんもご存じだと思います。

では、この昭和が何故、他と比べてリスクがあるのに高額かと言いますと、理由の一つにはこの鯉の系統、その系統の傾向(どう変化して行くか)を知っているからです。

この昭和の系統の一番の傾向(この場合、特徴)は主に白地に強い墨が出ると言う事です。

皆さん、想像力を働かせて下さい。 もし、この昭和が紅白模様としてバランスの取れた四段模様だったとします。

成長と共に白地に強い墨がガバッと出たらどうなりますか? はい。緋昭和になってしまいます。 それはそれで良いのかもしれませんが、やはり色が三色ある鯉はそのバランスが良い方が良いに決まっています。 大正三色の墨は昭和に比べて小さいので後から墨が出て来ても赤三色にはなりませんが、昭和の墨は大きくなります。 白地に墨が入る傾向のある鯉は特に言えると思います。

皆さん、品評会で大賞を獲っている殆どの昭和は墨模様で魅せている鯉です。

それらの昭和の墨を取って紅白模様としてだけ見た場合、まずクズの紅白です。

これは究極の話ですが、主に白地に墨が出る昭和の系統の場合、理想的に三色のバランスが取れた完成形を目指すとすれば、紅は少ない方が良いと言う結論に達します。

では何故、この世の昭和にそういう鯉が少ないかと言えば、生産者にセンスがないか、又は先程も言った様に小模様は緋が飛んでしまう確率が高いからでしょう。

殆どの昭和の生産者は稚魚の選別の時、紅白模様として良いか悪いかで選別しています。

私もこの事に気付いた時、将来良くなる昭和はいつ捨てられているんだろうと時間を遡って考えてみました。

ハッとしました。 そうか!稚魚選別の第二選目だと。(黒仔選別は除外)

殆どの生産者は昭和であっても稚魚選別時は紅白模様を基準として選別しています。特に二選目では紅白模様としての中羽(良くない模様の意)は捨てられてしまいます。

 

皆さん、誤解しないで下さいね。 じゃあ小模様の昭和ばかり集めれば良いのかと言うとそれは危険です。

皆さん意外と生産者でも自分がどういう鯉を生産しているか分からない人も多いのですよ。

鯉の系統は沢山あります。 でもそれぞれの系統、血統の特徴を明確に答えられる生産者も少なくなって来たと思います。

ましてや一般の愛好家の方が鯉の形、緋質、墨質を見ただけで、その系統を答えられるなど聞いた事がありません。

 

今回、題材にした昭和が何故、本来当才販売にしないのかはやはり昭和は浅黄の血が濃い品種なので他の鯉に比べて緋が飛んでしまう確率が落ちるとは言っても、お薦めするにはリスキ-です。 では何故高額かと言う答えは今回述べた理由からです。

 

今回は、よく本等に載っている鯉の見方とは違う考察になりました。 あくまでも私見ですがこれも経験に基づいた私見ですし、ある部分大きくする事が前提になっている話かもしれません。

逆に皆さんを混乱させてしまうかもしれませんが、鯉って追求して行くと深くて深くて自分一代では無理だろうなぁ~と思ってしまいます。

皆さん、それぞれの飼育スタイルに合った鯉選びを心がけましょう。

 

では、連休中、コロナには気を付けて!!!

 

本題に入る前に。

皆さん、お元気ですね。

 

本題に入る前に、ちょっとうんちく話しです。

私は昔、一時期中国の古典にハマった時期がありまして、いろんな本を読み漁りそんな中、儒教の教えと言うものに触れました。 宗教臭い話ではありません。

教えの中にこんな一説がありました。 人に何か無償でしてあげたとします。 してあげた人があなたに対して感謝の気持ちを示さなかったとします。

普通の人ならば「有難うぐらい言いなさい」と思うはずです。 しかし、教えの中では感謝の気持ちを示さなかった人の事は責めず、「有難う」と言う言葉の見返りを求めた者の方を否としています。

貴方は何の見返りも求めずに奉仕したのではないですか? 「有難う」と言う言葉は貴方の気持ちを満たす見返りになります。

「有難う」ぐらい言えばいいのにと思う気持ちが、貴方の親切心から出た行動を汚してしまうと言う教えでした。

これは何を意味しているかと言うと、”自分の選択に覚悟を持て!”と言う事です。

人は日々選択しています。 例えば貴方がある人を信じて一緒に仕事をしたとします、後に裏切られ悲しい思いをし、人を恨みます。 しかし、それは貴方の覚悟が足りなかったのです。

一緒に仕事をするという選択をあなたがした時に、この人になら裏切られても良いと覚悟をするべきだったのです。 出た結果に対して悲しんだり人を恨み後ろ向きになるより、自分のした選択の結果だと心を早く整理し前に進む方が誰かのせいにしてうじうじするよりよっぽど良いという事です。

正に今、コロナの時代。 貴方は自分の選択した行動に対して覚悟を持っていますか?

こうは言っても私もまだまだ覚悟の足りない人間です。

しかし、こういう考えを一つ自分の心の引き出しに入れておくと、何かでつまずいた時に自分の心を前向きにする助けになります。

 

私達、生き物を扱う仕事は常に選択と結果が付いてきます。

皆さんも職種は違っても同じだと思います。

お互いに精一杯やってみましょう!!

 

この手の話をすると長くなるのでやめます。 今日のお題は”考察 昭和その1”のはずでしたが本題に入る前にお腹が空いて電池ぎれになりました。

帰ります。

では、また。

 

 

鳶は鷹を生まないもんだ。

皆さん、お元気ですね。

私は疲れております。

Web GP参加の販売鯉、GP-08見て頂けましたか?

皆さんはどうお感じになられましたか?

昨年の春より、この会社でお世話になる事になりまだ1年足らずですが、ネット販売鯉だからと馬鹿にしている人たちに一矢むくいるべく頑張っております。

昨年末より生産管理だけではなく、販売も手伝っておりますが、やはり弊社の様にブランドを持たないネット販売では高額商品が売れないのかなぁと高い壁を感じています。

しかし、同時に写真の判断だけで鯉を購入して頂いているお客様には本当に感謝しております。 本気で有難うございます。

故に、なるべく分かり易く私見ではありますが経験に基づいてコメントを書くようにしています。

100%のお客様にご満足頂けるとは思っておりませんが、お値段以上の鯉をお届けしたいと日々、少しずつ前進しています。

今までは、ネット販売だから売買価格にある程度の上限があり、良い物を安く出す事ばかり考えていましたが、それでは生産者として、この鯉はどうしても安くは売りたくないと思う鯉のご紹介が出来ずにいました。

ですが、これからは少しずつそういう鯉もご紹介していこうと思っております。

GP-08,ブランド生産者の生簀に泳いでいたら、いくら言われるか分かりませんよ。

 

さたさて、こんな話は置いといて。

今日、この鯉が網に入った時は笑ってしまいました。 下写真です。

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昨日、ご紹介した鯉とそっくりでしょ!

いくら同じお母さんから出た子供でもこんなに似た鯉を見たのは初めてかもしれません。 2色の鯉なら、例えば紅白などは似た鯉も結構出ますが、昭和は稀です。

因みに、

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これら2本も間違いなく同じ母ちゃんから出た鯉です。

父ちゃんは二人だけど。。。。

全て天然模様ですから、正確に比較できます。

私は良い鯉だと思っているのですが、やはり父ちゃんも母ちゃんも確かな系統でないとこのような鯉は出ません。

一本の母親から色んなタイプの鯉が出ますが、父ちゃん似、母ちゃん似、じいちゃん、ばあちゃん似、その他。

つくづく、系統って大切で鳶からは鷹は生まれてこないもんだと思ってしまいました。

 

何か他の事を書こうと思っていたような気がするのですが、お腹が空いたので帰ります。

では、また。