松田養鯉場のブログ

当養鯉場の日々の出来事をお伝えできたらと思います。

錦鯉飼育のちょっとしたコツ その2

皆さんお元気ですよね。

私は疲れております。

 

先日に続き飼育のコツの伝授です。

今回は、餌について話をしたいと思います。

皆さんはそれぞれに自分なりにどんな餌を使用するかだいたい決めている事と思います。しかし今回はどのブランドの餌が良い等という話ではなく餌の特性についてのお話です。 昨日は屋外飼育の方に特化したお話でしたが今日は水槽飼育の方にとっても参考になるかと思います。

 

以外に生産者でも知らないのが浮き餌と沈み餌の特性です。

同じメ-カ-の同じ商品にも浮きと沈みが販売されています。

成分も同じですよね。

しかし、浮き餌で育てるか沈み餌で育てるか選択によって鯉は随分と変わります。

体型がです。

特に当歳から二歳に立てる時の変化は一目瞭然です。

皆さんもご存じのように18㎝位の当歳を野池に放してひと夏大きくすると秋には40㎝を超えて揚って来ます。 20cm以上急激に伸びるわけです。

まだ私が修行中の頃、試験区を作って同腹の紅白を一つは浮き餌のみ、一つは沈み餌のみで、ひと夏当歳から2歳に立ててみました。

浮き餌で育てた鯉はボリュ-ㇺは付いたのですが横から見るとお腹が出っ張り、ラグビ-ボ-ルの様な形になりましたが、沈み餌で育てた鯉は横から見てもお腹がまっすぐでガシっとした体形に育ち鼻先から背びれの始まりまでのア-チが系統によって形は違うのですが素直に形作られている鯉が多く見られました。

体長も沈み餌の方が伸びたという結果です。

体が急成長する時に出る結果は顕著で、それ以来、野池飼育する際は沈み餌をメインに与えています。

違いはそれだけではなく、同じ体長であれば沈み餌で育てた鯉の方が重くなります。

鯉の体を触ればよく分かりますが、肉の詰まり方の違いが判ると思います。

 

昨日のブログで大きくしていく鯉達は1年の内4か月程しか餌を与えられていないと書きましたが、その裏には沈み餌で育てた肉詰まりの良い鯉は冬場に餌を与えなくてもほとんど痩せません。

2月の終わり位に水温が上がりだし鯉の代謝が目覚めだしてからは、少し痩せてきたかな?っと思う程度です。

逆に浮き餌で育てた鯉は池揚げ後、餌を与えなければ越冬前には目に見えて池揚げ直後の体の張りは無くなっています。

 

ほとんどの愛好家の方は鯉をサイズごとに飼育するだけの池数持っておられません。

皆さんも同じ当歳魚であったとしても大きい鯉、小さい鯉を一つの池、水槽で飼育していませんか?

そんな中、調子は良いのに痩せ気味だなぁという鯉はいませんか?

そんな時、飼育環境が許されるなら沈み餌を与えるとよいですよ。

今までのお客様からの問い合わせのアドバイスとしても言いましたが、鯉の口は下向きに付いており、本来、底の泥などをほじくって餌を食べているのです。

水面に浮いた餌を取る為の口の形ではありません。

私ども生産者はハウスで鯉を蓄養する際、池の底水が濾過槽に行っている為、沈み餌を与える事が出来ず浮き餌にしていますが、給餌の際、鯉をよく見ていると浮き餌を食べるのが下手な奴がいるのです。

何度も空振りして他の鯉がガバガバ食べている間に一粒二粒しか食べれないのです。

当然、成長も遅れ痩せても来ますので定期的に選別し、それらだけで飼育し直すという作業もしています。

そんな浮き餌を食べるのが苦手な鯉も沈み餌ならストレス無く摂取する事が出来ます。

群れの中で弱い立場にいる鯉も沈み餌なら、こそこそしながらも食べる事が出来ます。

 

浮き餌はボリュ-ㇺが付きやすいと書きましたが、沈み餌でも徐々にボリュ-ㇺは付いて来ます。 その体形は本来その鯉が持つ系統の素の形が現れます。

 

私なりに一つの結果を端的に言わせて頂くと、沈み餌を与える方がより健康的に強く長持ちする鯉になるという事です。

手から餌を食べさすのが楽しい等、鯉は趣味ですから人それぞれの飼育方法があり何一つ否定できるものではありません。

鯉の為を思って等と言うつもりもありません。

以前、外国のお客様に沈み餌の効能を話したことがありましたが、キッパリ嫌だと言われました。 

餌を食べている時の鯉の顔を見たいんだって。

因みに私の場合、野池飼育している時に鯉がハッキリ見えるのが嫌です。

害鳥を呼び寄せるきっかけにもなりますから。

水面下の見えるか見えないかの辺りをギュンギュン泳いでる感じが好きで餌を食べに集まった時に何かの拍子に鯉が驚いて水面下で弾けます。

その時のブンという水切り音の違いで鯉の成長、腰の強さを感じています。

但し、当歳から二歳に立てている野池などは餌が沈む前に食べてしまうぐらいピラニア状態になっていますので嫌でも見えてしまいますが。。。。

 

冬場は餌を与えず越冬させるという愛好家様は是非、沈み餌も与えることをお薦めします。 きっといつもより順調に越冬させる事が出来ると思います。

水槽飼育の方も参考にしてみて下さい。

 

これからのブログの更新ですが、日中は忙しい為、夜遅くの更新になると思います。

夜、お休み前に覗いてみて下さい。

 

明日は、その3 薬浴、その他です。

では、また。